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一枚絵で書いてm@ster 第8回提出作品「完璧の先に」

・・・・・・・・本日一枚絵をもともと書いていたファイルを
凡ミスで消失orz というわけで急遽書き上げました 
前に書いてた奴はあらためて時間ある時はに復帰させようと思います

そして たかひび話のはずが何故か・・・になった(ぇ


 我那覇響の朝は早い。
 アイドルである以上に学生でもある彼女は、学校に行くまでに済ませておかなくてはいけない課題がいくつもあるのである。
 その中で重要な位置づけにあるのが、響が飼っているペットへの餌やりであり、もう一つは、同居人に対する餌や……もとい朝食造りであった。

学校指定のセーラー服に身を包んだ響は、すでに昨日の夜から仕込んであった鍋に火をかける。
壁にかけてある時計をちらりとみて、同居人が起きてくるまでにはまだ時間があると踏んだ響は手早く『自分の食事』を隣のコンロを使い作り上げた。
自分の食事を平らげている間も、しきりに弱火でコトコト煮込んでいる鍋と時間をしきりに気にする。響の朝食は、毎度このような感じなので朝食に関してはあまり味を覚えていた試しがない。
正確に時間を測り、お玉で灰汁をとりながら響は開いてる片手で出来上がった自分の食事を行儀が悪いと思いつつも鍋から直接口に放り込む。
隣に仕掛けてあったキッチンタイマーがけたたましく時間を響に知らせると同時に、響の右手が動き、コンロの火が止められた。
お玉をそっと持ち上げ、鍋の中の澄んだスープを一口啜る。
「うん、今日こそ完璧だぞ」
 左手を握り、小さくガッツポーズをする。顔にも満面の笑みが浮かび、誰がみても今作っているものが会心の出来であることを理解するのはたやすいであろう。
 だが、響の朝の課題はこれで終了ではない。
 冷蔵庫を開け中から中華麺を取り出した響は、その麺を鍋の温度を測りながら慎重に放り込む。
少し時間をおいて麺を一本取り、こくりと頷くと響は火を止めた。
そして、それを待っていたかの用に台所の入り口に人影が現れる。
「響、おはようございます」
 入り口に現れたのは、響の同居人であり同じアイドルである四条貴音であった。
「貴音、今日も時間ぴったりだな。きちんと出来てるぞ」
 コンロの方に向けていた視線を、響は貴音に向ける。
「そのようですね、響」
 一方の貴音の視線といえば、響ではなくあきらかに鍋で作られている物に注がれている。
「今日こそ自信作だからな!」
 食器棚からラーメンの器を取りだすと、麺とスープ、具材のバランスを気をつけきれいにもりつける。
 貴音は無言で席につき、箸を手に取る。
 響はちらりと時計を見て、まだ通学に使うバスの時間まで余裕があることを確認した後、貴音の一挙一動を見逃さないように対面の椅子に座り込んだ。
 そんな響におかまいなしに、貴音は音も立てずに麺を啜り(響にしてみれば、音を立てた方がうまい、と思うのだが)、レンゲを使い澄んだスープを少しずつ舌で転がすように味わう。そんな上品な食べ方にも関わらず、器に存在していた麺とスープ及び具材は少し目をそらしただけで消失する程度の早さで貴音の胃袋に収まっていった。
 貴音の不思議さに関してはいまさら突っ込みをいれる気になれない響としては、食べおわった後の言葉だけが重要だった。
 スープの最後の一滴まで飲み干した貴音は、ナプキンで口を拭う。
 響は、その貴音の口が開かれるのを時計を気にしながら待つ。
 貴音は目を瞑り、両手を膝においてゆっくり口を開いた。
「響、麺の固さに異存はありませんが……」
 貴音の口が開かれて言葉が出ると、響はごくりと唾を飲み込む。
「今日のスープは、具とのバランスが少々おかしいかと。あくまであっさり系を目指すのであれば具もそれに順じて……」
 貴音の語り口から今日の講釈は30分コースだと悟った響は、早々に肩にかけていた鞄を下ろして遅刻を覚悟した。
 
 学校についた響は、遅刻の真の理由を告げられず寝坊扱いにされた。
 いつもの事ではあったが、アイドル活動でただでさえ欠席率が高い響にとってはこの後にまっている補習を考えると気分が重くなった。

「あ、響ちゃんおはよー」
 学校帰り、制服のまま所属事務所である765プロを訪れた響を出迎えたのは天海春香だった。
「あ、春香か。おはよう」
「響ちゃん、元気ないね」
 心配そうに春香が響を覗き込む。
「そうか、自分はいつも元気だぞ。ただちょっと補習で疲れてるだけで……」
「えっ、響ちゃんも補習?」
「春香もか、やっぱり仕事があると出席日数きついよな」
「あ、いや、私はちょっとこの間数学の成績が……」
 あははといって、春香が明後日の方を向きながら頭を掻く。
「それより今日は夜遅くなるよね?」
「雑誌の取材が遅くになるっていっていたぞ、プロデューサーが」
 今日響と春香が事務所に来たのは、注目アイドルの取材ということで、春香と響が雑誌のインタビューを受けるからであった。他のアイドルは、それぞれオフか外での仕事があり他に誰もいなかった。
「なら、やっぱりまずはお腹が空いたら戦は出来ないだよね」
 春香は、もっていた鞄の中から少々大きな包みを取り出すと、それをテーブルの上で広げた。その包みからは、甘い香りと、食欲をそそる彩りでそえられた焼き菓子が顔をだし、たちまち響の食用中枢を刺激した。
「さっすが春香だなぁ、おいしそうだぞ」
「えへへっ、響ちゃんの分も考えていっぱい作ってた来たから食べようね」
「なら、飲み物もってくるぞ」
「あ、飲み物なら……」
「春香が今動くと、確実に転ぶフラグがたつぞ」
 その響の言葉で立ち上がろうとした春香が固まる。立ち上がった後の結末を頭でシミュレートを完了させたのか、春香は大人しく響にお茶入れを任せることにした。

「おいしいよなぁ、やっぱり春香のお菓子は」
 遠慮という言葉をどこかに放り出して、響はひたすら春香の作ったお菓子を食べ続ける。
「響ちゃんにそういってもらえると嬉しいなぁと」
 餌を満足そうに食べるペットをみるように、春香はニコニコとしながら自分もお菓子を手に取る。 
「まぁ、自分完璧だからお菓子つくり始めたらきっと春香を簡単に越えるけどな」
「お菓子つくりでも負けられないけど、響ちゃんのお菓子も食べてみたいなぁ」
「それじゃ、今度作ってくるぞ。おいしいっていわせてやるからな」
「おいしい……かぁ」
 ふと春香が遠い目をした事に響は気付いた。御菓子を食べる手を動かしたまま。
「どうしたんだ、春香?」
「ん、あ、なんでもないんだよ。ちょっとね」
「嫌なこと……って感じでもないよな、その感じだと」
「うん、別に嫌なことがあったわけじゃないよ。ただ貴音さんがね」
「貴音がどうかしたのか?」
 ここで貴音の名前が出るとは思ってもみなかった響は、身を乗り出して春香に迫る。
 その響の勢いに押され、のけぞりながらの無理な体勢で春香は話す。
「う、うん。みんなおいしいっていってくれるんだけど、貴音さんだけ一回もおいしいっていってくれたことないなぁ、って思ったから」
「春香もかぁ」
 響は乗り出していた身を戻し、すとんと椅子に座る。それに合わせて春香も無理な体勢から解放される。
「響ちゃんも?」
「あ、うん。ちょっと前から貴音が朝食にラーメンが食べたいっていうから作ってみたけど、一度もうまいっていってくれたことないんだ」
「響ちゃんの料理、おいしいのにね」
「自分、料理も完璧だからな。最初は沖縄料理じゃないからだめだったのかなと思って沖縄風のラーメンも作ってみたけど、やっぱりだめだった」
「貴音さんって、厳しいよね。千早ちゃんもだけど」
「私がどうかしたかしら?」
 後ろから聞こえた声に、春香は壊れたブリキ製のおもちゃの様に後ろを振り向く。そこには、無表情に春香を見下ろす千早がいた。
「あ、あはは。千早ちゃんは厳しいけど可愛いなぁって」
「馬鹿いってないの」
 やれやれといった感じの表情で、千早は春香の横に座る。
 そんな千早を、響はじっと見つめる。
「どうしたの、我那覇さん?」
「千早は、貴音に褒められたことってあるか?」
「四条さんに?」
 千早は小首を傾げて少し考え込んだ。
「少なくても、料理は褒められたことないよね、ちは……」
 千早の拳骨が春香の頭を襲い、強制的に春香を沈黙させた。
「ひどいよ、千早ちゃん……」
 春香の抗議を無視して、千早は響の質問について考える。
「何回かはあるわね。歌のレッスンを何度か一緒にした時とか」
「千早は褒められたことあるのか……」
 響はその言葉にうなだれる。
「何があったの、我那覇さん?」
「ん、貴音にラーメンを作ってるんだけど、一度も褒められたことないんだ。いつも何か注文つけられてさ」
「……私も、それなら褒められたことはないわね」
「えっ?」
 再び響は顔をあげる。ちなみに春香は頭を押さえたまま、まだ顔をあげられない。
「個々の部分でいいといわれたことはあるけど、それでもやはり気になる点を毎回注意されるわね。そして、私も同じように四条さんにしてるわ」
「んー、まぁ自分もたしかに全然褒められてないわけじゃないな」
「特に四条さんは、我那覇さんに対しては大事だからこそ厳しくなるし、我那覇さんの持論が気になるからこそ厳しいのかもしれないわね」
「持論?」
 響は腕を組み、首をかしげ考え込む。
「我那覇さんは確かに何でも出来る才能とかあるわよね」
「もちろん、自分は何でも完璧だからな」
「だからこそ、四条さんは我那覇さんを褒めないのね」
 千早の言葉に、響の思考能力はまったく追い付かなかった。
「あー、千早のいってることまったくわからないぞ!」
 頭をかきむしる響だが、当然そんなことで千早の言葉の意味を理解することはできない。横で聞いていた春香も、理解はできていない。
 そんな響に助け舟をだすべく、千早は微笑みながら話す。
「我那覇さんは確かに凄いけど、今が完璧でこれ以上成長できないということはないわよね」
「まぁ、たしかに自分はもっともっと上にいけるぞ」
「それは歌でも料理でも同じね。今の我那覇さんのままで満足してほしくないから、完璧でいてほしくないから四条さんは我那覇さんを褒めない、のだと私は思うわ」
「貴音が……?」
「四条さんの本当の考えは私にもわからないけど、私も四条さんも、まだまだ未熟だという事を理解して、お互いにのびるために言葉を交わしているわ」
「自分も、まだ未熟……なのかな」
「未熟で、いいと思うよ」
 そういったのは、やっと頭をあげた春香であった。
「春香……」
「私だって、千早ちゃんに注意されてばかりだけど、たまにちょっとだけ褒めてもらえるのが嬉しいし」
「春香は、まだまだすぎるわよ」
 今度は、こつんと春香の頭を叩く千早だがあきらかに今度は照れ隠しの要素が強かった。
それは響からみてあからさますぎて、思わずため息をつきたくなる程である。
「我那覇さんは、四条さんにおいしいっていわせるために頑張れているわよね」
「もちろんっ。絶対に貴音においしいって言わせてやるんだからな」
「なら、四条さんも毎日我那覇さんのラーメンを食べてくれるわね。……とても幸せなことね」
「そうか?」
「歌を聞いてくれる人、料理を食べてくれる人がいるだけで……誰かが傍にいてくれるだけで私達は幸せになれる。私はそう思ってるから」
「私も、響ちゃんや千早ちゃんが喜んでお菓子を食べてくれる、それだけで幸せだからね」
「春香は歌もがんばるべきよ」
「ううっ……」
 春香と千早のやり取りは、響の心にかかっていた靄を取り払う気持ちのいい風だった。
「よーし、こうなったら料理だって歌だってダンスだって、全部貴音に認めさせるために頑張ってやるぞ!」
 拳を固め立ち上がった響は燃えていた。今にも走り出しそうな勢いである。
「我那覇さんには負けられないわね。今からレッスンにいくわよ、春香」
「えっ、ちょっ、千早ちゃん?」
「よーし、自分も一緒に練習するぞ!」
「響ちゃんもー!今日は夜からー」

 上をみて歩く人は、決して歩みを止めない。
 高みにあるものの素晴らしさを知っているから。
 そして、一緒に歩いていける人はもつ者は決してくじけない。


テーマ : アイドルマスター
ジャンル : ゲーム

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非公開コメント

お疲れ様でした。

アクシデント後、1日で書いたとは思えない作でした。
響の悩み方が実に響らしくて、
千早の諭し方が実に千早らしくて、素敵でした。
2人の会話だったら、「ちょっとイイ話」なんだけど、
ここに春香さんらしい春香さんが加わって、実に「アイマス」ですねー。
貴音さんの振る舞い含めて、綺麗なつながりだったと思います。

拝読致しました

朝かららぁめんを食する貴音さん…アリですね!!
ある日の風景といえばいいのでしょうか。
4人それぞれの個性がいい感じに噛み合っていて、とても自然体な雰囲気でした。
こういう雰囲気は大好きで、わっほわっほうへへしながら読ませて頂きました。
貴音さんもみんなのことを信頼しているから、こういう感じに話すのでしょうね。
それに少し不満を抱きつつ、何だかんだで料理を作り続ける響さん。
貴音さんと響さんってこういう関係性だといいなぁとしみじみ堪能させて頂きました。
こう、少しずつ、相手のことを知って、成長していくっていいですね。

素敵なSSありがとうございました!

確かに

書いたのパーになると、がっくりしますよね。ええ。
何度となく、そんな経験を経て来た私です(何

僕は部下を褒めません。
「褒めて伸びる」タイプを、決して手元に置かない人間です。
足りないものは相手の伸び代、足りてるものは相手の美点。
だからこそ、わかりやすい美点よりも伸び代を突く。
嫌われても疎まれても、僕は部下を褒めません。
なので、「ああ、こんな部下ばっかりだったら!」と思いました。

……会社の愚痴じゃねーか、って?(汗

このらあめんを作ったのは誰ですかっ!!

765の子たちがメインで出てるのが新鮮でした。
ここまで、読ませてもらった中ではなかったかな? 盲点だった!

認めているからこそ、OKをださない・・・貴音さんてば、どこぞ頑固一徹な陶芸家さんみたいですね。
きっと、響のいないところで「フッ・・・響ったら、やるようになりましたわね・・・」とか、そーゆー。

面白かったです!
プロフィール

トリスケリオンP&ふるぷら~んP

Author:トリスケリオンP&ふるぷら~んP
主にニコニコでアイマスMAD作成中
結構適当

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