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一時間SS(トリスケ)/お揃いメイク

さて恒例一時間SS トリスケサイドです


今回はやよいおりっと いつも以上に短いですー
 アイドルたるもの身だしなみには気をつけなければならない。
 身を飾る衣装などにも気を使うが、やはり根本的にはその飾りつけをする当人を磨かないとどうにもならないのだ。

「といっても、まだ化粧なんて必要ないのよねぇ」
 控え室の化粧台の前で、伊織は目の前に並べられた化粧道具を適当に手に取っては戻すという事を繰り返していた。
 プロデューサーからの課題で、今は必要ないかもしれないが今後メイクも必要になってくる時もあるから、今のうちに少し自分で体験して慣れておけというお達しが来たのだ。
 そのお達しをぶつくさ文句を言いつつ、なんだかんだでこなしているのが今の状況だった。
 伊織も女の子なので、化粧自体にまったく興味がないというわけではないのだが、まだまだ素の自分で押せる自信があるので、そちらの意識が強く自然と化粧に対して消極的な姿勢になっていた。
 それを口に出したら数人から「若いっていいわね……」と言われて面倒くさいことになるので、その数人の前では自重はしているのだが。
「これも……とっても高そう……」
 そんな伊織の隣にいるのは、面倒くさい数人ではない人物、高槻やよいであった。
 やよいも、伊織と同じように目の前に並べられた化粧道具を手にとっては置くという動作の繰り返しだったが、手に持つ時も、戻す時も小刻みに手が震えていた。
 やよいも、伊織と同じく化粧自体に興味がないわけではない。
 だが、やよいの場合は実家の困窮具合から来る高級な物に対する恐怖感故、化粧に対して消極的なのだ。
「どうせ事務所の経費なんだし、メイクに対する知識を覚えろってアイツがいうんだから遠慮なんてするんじゃないわよ」
 伊織からすれば、やよいのつるつるの肌は化粧なんかで汚して欲しくないという思いもあったのだが、やよいが心の底では化粧を試してみたいと思っている事を看破(やよいが解りやすいというのもあるが)していたので、さりげなく(と当人は思っている)薦めてみる。
「んー、でもぉ高そう……」
「こんなの殆ど安物よ」
 伊織からしてみれば、目の前に並べてある化粧品は『安物』にランクする品物であるが、やよいからすればそもそも化粧道具自体が高級品である。
「とにかく、何でも試してみなさいな。私も色々やってみるわよ」
「うん、伊織ちゃんがんばろうねっ」
 とりあえずやよいが笑顔になってくれたので、伊織としても一安心といった所だ。
 
 メイクレッスン自体、多少の知識がある伊織が、まったく知識のないやよいに大して教えるといった形になり、少し教えた後自己流でメイクを始めて、形容しがたい容姿になったやよいを観て伊織が思わず爆笑し、怒ったやよいがみられるというレアなイベントが発生したりもした。
 基本的に、この二人は何をしていても、とりあえず二人で何かするという事が重要で、どんな楽しい事も分かち合えて、どんな苦しい事も二人で背負っていけるという、そんな仲である。
 このメイクレッスンの楽しい時間も、二人にとっては思い出の一ページとなるだろう。

「口紅って、つけるの難しいね……」
 伊織に習った通りに、鏡を見ながら口紅をつけ始めるやよい。
 やよい自体は、そんなに不器用な方ではないのだがやはり慣れない事をしているせいなのか、どうしても歪な引き方になっている。
 やよいが真剣になっているので、伊織としても笑わずに成り行きを見詰める。
悪戦苦闘しつつ……
「こ、これでどうかな……」
 そう伊織に告げるやよいの唇は、真っ赤なルージュで美しく……にしては濃すぎる赤で彩られていた。
「ちょっと……塗りすぎたわね」
 やよいが自分でやるというので、一切口出しをしなかったが、さすがに厚塗りになった段階で止めればよかったなと伊織は思った。
「あぅ、やっぱり塗りすぎだよねぇ」
 やよいもどこかで解っていたが、やはりそこはまだ化粧初心者といったところである。
「これから慣れていきなさいよ。ほら、拭き取ってあげるからじっとしてなさい」
 伊織が、手近なコットンでやよいの口紅を拭き取ろうとする。
 そんな伊織の手をやよいは、自らの手で押しとどめる。
「どうしたのよ、やよい?」
「えへへ、ちょっともったいないなぁって思って」
「つけすぎのを拭き取るのがなんでもったいないのよ」
「拭き取ったらもったないから……伊織ちゃんにもおすそ分けだよ」
 その言葉が伊織の耳に入ると同時に、伊織の唇はやよいの唇の柔らかさに支配されていた。
 数秒の沈黙と、思考停止。
 そして、時か動き出す。
「や、やよい……」
 突飛なやよいの行動に、思考停止から思考混乱に戻すのがやっとの伊織。
 そして、混乱の張本人のやよいは何も混乱などせず、無邪気に笑っている
「えへへ、伊織ちゃんとお揃いだねっ」
 悪びれもせずに、心の底から『お揃いの化粧』が出来たことを喜んでいるやよい。
「……お揃いにしたかったら、最初からいいなさいよ……」
 やよいのおすそ分けの口紅の色より顔を真っ赤にした伊織は、やよいに大してあまり必要ないと思われる照れ隠しのためそっぽを向いた。
「伊織ちゃん……」
「何よ」
 もう、やよいの声を聴くだけでも恥ずかしくなっている伊織。
「お化粧がんばって、もっともっと綺麗になろうね」
「あったり前じゃない、もっともと綺麗になるわよっ」


 そのままでも綺麗だよとは、さすがに言えなかった。

テーマ : アイドルマスター
ジャンル : ゲーム

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No title

やよいおり! やよいおり!
……つかニヤニヤしてたまらんぞな
まぁ13・14の子に化粧はかえって無粋ではあるが
なんとも微笑ましいじゃあないかい
口紅引きすぎてほっぺた赤くしてるやよいを妄想して悶えるわいな
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Author:トリスケリオンP&ふるぷら~んP
主にニコニコでアイマスMAD作成中
結構適当

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