スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第三回一枚絵で書いてみm@ster作品/『再び咲く花の下で』 byふるぷら

 今回も参加させて頂きましたー
 【第三回一枚絵で書いてみm@ster】

 では↓より~
再び咲く花の下で


 都内の桜も満開になり、街が淡い桜色で染まる季節。
 彼女の所属する芸能事務所の主である高木社長の一声により、関係者総出で花見の宴を催していた。総出と言っても、あまり人員を増やす気配のない事務所のスタッフは少ない。しかし所属アイドルが全員参加している華やかさは、満開の桜にも引けを取らないものがあった。
 彼女…… 如月千早も、その彩る華の一人。
 元々が騒々しい席を好まない彼女。ヒートアップしていく宴を抜けて一人静かに夜桜を見上げている姿は、どこか幻想的でもあった。
 彼女の脳裏には、ある風景が思い出されていた。同じ花の咲く季節、アイドルとしてデビューすることになった彼女の前に現れた、一人の男性の姿が……
「千早?」
不意に名を呼ばれ、風景の中に溶け込んでいた彼女に精気が戻る。彼女と同じように紙コップを持って近付いてきたのは、同じアイドルの秋月律子だった。みんなと一緒に騒がないの? と。
 彼女は静かに、わかってて言わないで、と。騒がしい場所を苦手とする歌姫に、律子は軽く首をすくめた。
「律子こそどうしたの?」
「……酔ってセクハラしようとしたプロデューサーを…… 処理 してきたのよ。」
メガネの奥から鋭い視線。千早は気圧されたように後ずさる。
「あはは、半分冗談よ。流石にテンションに付いていけなくなって…… ちょっと休憩。」
来訪者は千早が眺めていた桜の木に背中を預け、照明に淡く照らされているその枝を見上げた。彼女が居なくなれば歯止めが無くなるのでは…… 宴の惨状を思い千早の表情は曇る。
 と、不意に一陣の風。桜の枝を揺らし、はらはらと花びらが舞い落ちる。彼女は慌ててスカートの裾を押さえつけた。
「そういえば……」
舞う花びらを眺めながら、律子が口を開いた。先ほどの鋭い眼光は面影もなく、むしろ普段よりも幼くさえ見える。
「今日は随分と短いスカートなのね。昔はスカート履いてきたことなんて無かったのに。」
幼く見えた顔に、悪戯っ子のような笑みが浮かんだ。スカートの裾を押さえたままの千早の頬が朱に染まる。
「誰に見せたかったのかなぁ~」
「か、からかわないでっ ……私だってスカートくらい。」
と反論する段になってふと思い出した。昔の私は服装にあまり頓着していなかったような。スカートなんて、ステージ衣装か学校の制服くらいで……

一枚絵で書いてみm@ster-3


「それにね……」
声にからかいの色が消えた。スカートを揺らした風の時より顔を真っ赤にしていた千早も、その声に我に返る。
「昔よりずっと表情豊かになったわ。」
メガネの奥からまっすぐな視線が千早の瞳を射抜き、今度は思わず硬直してしまう。からかわないでって言ってるでしょ、とやっとのことで口に出せたが、相手に届いているのかどうか。
「初めてあなたに出逢った時に。……社長が大喜びであなたを事務所に連れてきたときね。」
「え?」
静かに語り始めた彼女に、やっと硬直から立ち直った千早は思わず声を上げた。そんな千早に構わず言葉が紡がれていく。
「すごく才能のある子だ、トップアイドルになれる! って大絶賛だったわ。けど、正直私はそうは思えなかった。後で歌を聴いてからも、その感想は覆らなかったわ。」
「…………」
「アイドルとして見るなら、少しくらい音を外したって心底楽しげに歌う春香や、無限大の笑顔をふりまくやよいや、控えめな物腰を覆すスタイルのあずささんや、男のアイドルよりも女の子受けする真や…… 他の子達の方がって思ったの。」
私はどうでもいいけどね、と最後に付け加えて笑う律子の、言葉の真意を掴みかね……
「気付いてる? 昔と違って、今のあなたはよく笑うわ。喜怒哀楽がストレートになった…… のかな?」
ひらり、ひらり。桜の花びらが千早の持つ紙コップの中に舞い降りた。それにも気付かず、彼女はメガネの奥の瞳を覗き込んでいた。その真剣な瞳に気付いたのか、はっと顔を上げる。
「今の私はどうなの?」
事務員兼任アイドルで、アイドルよりもプロデューサー志望だという年上の同僚の目には、自分はどう映っているのだろう。純粋な興味があった。
「事務所で仕事してるとね、いろいろなところから電話を受けるの。局のディレクターやお偉いさん。番組制作会社のスタッフや…… あとはみんなへのファンレターの仕分けもするけど、みんな言うわ。」
「なんて?」
「如月千早の歌は変わった。劇的に変わった。ってね。」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・

「兄(C)ぜんしーん!!」
「それそれー!!」
「いてっ! 尻を叩くな!!」
時に子供は残酷である。所属アイドルの最年少の双子の願いに屈し、四つん這いの馬になっているプロデューサーに威厳も何も無く……
「にひひっ♪ 私も引っ叩いてやろうかしらっ」
「い、伊織ちゃんダメだよぉ 亜美も真美もそろそろ止めてあげて?」
アイドルに侮られているだけなのか…… 彼はヒエラルキーの最底辺に居るようだった。
「うふふ~ 真ちゃんはかわいいわねぇ~」
「うわぁっ! あずささんっ 呑みすぎですよぉっ!」
かと思えば、765プロきってのイケメン…… アイドルが、同じアイドルに抱き付かれている。
「ま、真ちゃんから離れてっ。」
「ミキの王子様を返してっ。」
修羅場の様相を呈している傍らでは、
「今年こそ私にも春がっ うぅ…… 春香ちゃぁん、誰かいい人居ないぃ?」
「あ、あはは…… 強く生きて下さいね?」
泣き上戸をあやす健気なアイドルが居たりする。

・・
・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・

「カオスね……」
自分が抜けた宴の惨状を他人事のように評し、律子はまた桜を見上げた。
「歌に生命の息吹を感じる。と言ってたのは、オールドホイッスル出演のオファーの時の武田プロデューサーだったかな。丁度電話を受けたのよ。」
「生命の……」
尊敬している人物の言葉に、歌姫の顔に歓喜と驚愕の色が同時に浮かぶ。
「何か心境の変化でもあったのか?って聞かれたけど、わからないって答えたわ。」
心境の変化と問われれば、ありすぎるくらいにあったと思う。この一年の間に…… 思い出の中に浸りかけたその時、
「ふふっ 思い当たる節はあるんだけどね。」
その言葉で我に返った。そして彼女の方を見る。夜桜のライトアップの明かりでメガネに映っていたのは、双子に弄ばれているYシャツ姿。
「彼があなたのプロデュースをするようになって、全てが変わったと思う。アイドルを歌う手段くらいにしか考えてなさそうだったのに。」
「そ、そんなことは……」
「あらそう? だったら社長に直訴して、プロデューサー貰っちゃおうかな♪ なんだかんだであの人のプロデュースって正鵠を射ているわけだし……」
また、2人の間を風が吹き抜けていった。律子は舞い上がった花びらに思わず顔を覆う。しかし、
「やめて……」
千早は俯いて、それだけ呟いた。風に遊ぶスカートを抑えもしないで。
「私から…… あの人を取らないで……」
夜桜用のライトの明かりの中で、銀色の雫が落ちるのが見えた。
「ちょ、ちょっと千早?」
慌てたのは律子である。少々の悪戯心からのからかいだっただけなのに。
「私には、もうあの人しかいないから…… だから……」
顔を上げた千早の頬には、涙の後が一筋。そのまま子供のように、くすんくすんと泣き出した。元々線の細い千早の姿がさらに小さく見える。
「ごめん、ごめんね? しないから、ね?」
そんなに地雷だったのかしら…… 宴の方から千早を隠すように、彼女の小さな肩を抱き寄せた。
「ほんとう…… に?」
「えぇ。 ……ごめんね? 変なこと言って。」
なんとか泣き止んだ年下の同僚に安堵しつつ、事情に興味を持つ心を押し殺した。しかし、
「もうすぐ、お別れだから……」
小さな呟きが聴こえてきた。
「また、私は一人になってしまう。私一人じゃ飛べないのに……」
「千早……」
冷たい歌を歌っていた千早を変えた彼は、1年限りのプロデュース。事務員を兼任する彼女は、その事実を薄々感じ取っていた。
「私はどうしたらいいの? 律子は変わったって言ってくれた。けど…… 彼が居なくなったら、私はどんな歌を歌えばいいのかわからないっ わからないの……」
また、泣いているのだろう。最後は言葉を詰まらせてしまった。
「私は片翼しかなかった。そんな私に、プロデューサーが翼を貸してくれた。だから飛べた…… 私の歌を届けることができていた…… のに……」
胸に縋る彼女の艶やかな髪を撫でながら、律子は考えていた。片翼しかなかったと言う彼女。なるほど、彼女の歌が心に響かなかったのはこのことか、と。
「何をそんなに恐れているの?」
顔を上げた彼女の真っ赤な目を見つめて、律子は言葉を続けた。
「この1年で、あなたは彼から何を学んだの? 歌い方だけ? ステージの立ち振る舞いだけ? 違うでしょ?」
「だって……」
「だってじゃない!」
小さな肩がびくりと震えた。
「今のあなたは片翼なんかじゃない。」
「……それはプロデューサーが。」
「違うわ。違うのよ。」
思わずぎゅっと彼女を抱きしめた。
「あなたの翼よ。もう、一人でも飛べるわ。」
「でも……」
腕を緩め、彼女の顔を覗き込む。
「何も寂しいことなんかない。この1年で学んだことを大事にして……」
「私は…… それでも私は……」
また涙を浮かべる彼女に、幼い子に言い聞かせるように優しく語り掛ける。
「彼に癒してもらった翼で立派に飛んでみせたらいい。その後で言うのよ。」
「え?」
「一緒に並んで、飛んで下さいって。」

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・

 ライトアップに照らされた桜は夜空に淡く浮かび上がる。
 泣いていた彼女は、もう宴の席に戻ってしまった。
 時々鋭い声を上げて、想い人を魔の手?から守っている。
「……損な性分よね。」
呟くと、律子は紙コップの中のジュースを飲み干した。
(いつも片思いで終わるのよね ……気付いた時には手遅ればかり)
顔を真っ赤にして彼に寄りそう歌姫。そして困ったような嬉しいような顔の…… 片思いだったひとに視線を移した。
「さって、新しい恋を探そうかな。」
視線を切り、紙コップを握りつぶして歩き出した。その前に大仕事があるわね、と。

 宴のテンションは最高潮に達し、好き勝手に歌いだすアイドルも出始める。
 流石に周囲の目が気になりだし、メガネの奥の瞳が光る。そして混沌とした宴を収めようと動き出す。
 笑顔の戻った歌姫と、その隣りで苦笑する元・想い人の邪魔はしないように……

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 というわけで、箱○版の千早ED直前な雰囲気+DSエピソード(武田さん)を追加して妄想してみました。
 ……あ、あれ? 微妙にイラストのふいんきと違うくないか?

 今回、企画のイラストを担当なさっているコミズミコさんの同人誌はトリPによく買ってきてもらってました。
(地方住まいはキツイね こういうとき)
 千早のお話の雰囲気すごく好きで…… というかデレデレな千早かわいいですわ~
 同人誌の次回作も楽しみにしてますー(トリPもお願い つか自分で買いに行きたいががが……)

 というかなんだ
 意識してやったわけじゃないのがキツイが、読みにくい文章になってるような……
 むむむ

 By ふるぷら~ん

テーマ : アイドルマスター
ジャンル : ゲーム

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

トリスケリオンP&ふるぷら~んP

Author:トリスケリオンP&ふるぷら~んP
主にニコニコでアイマスMAD作成中
結構適当

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
リンク集
ブログ内検索
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。