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一時間SS/想いを伝える方法

毎度恒例、一時間SSSSです
今回のテーマ:「一撃」「決裂」「遅刻」「曇天」

初めてのひびまこ……  ……ひびまこ? 
「……遅い」
 曇天の空を見上げながら、菊地真は自分を呼び出した相手を待っていた。

 『今日のお昼に……公園で待ってます』

 それだけ書かれた手紙だったが、真はその主が誰だかを確かめるためにあえてその手紙の指示に従ってこの指定された公園で相手を待っていた。
 もっとも、遅いといってもただお昼と書かれていただけで正確な時間指定があったわけではない。
 遅刻ではないのだろうが、人を呼び出しておいてその呼び出した相手を待たせるというのはどういう神経なのだろうか。
 真自体それほど気が長いほうではないので、後5分して相手が現れなかったら帰る心積もりでいた。
 目を閉じ、じっと空気の流れを読む。
 この公園は街の隅にあり、普段から人気のないことで有名であった。
 有名なのに人気がないってのは矛盾してないのかと思うが、呼び出した相手にしてみれば人気がないことが都合がいいのだろう。
 
 ……空気の流れが変わった。
 真は閉じていた目を開けて、自分の前に現れた人物を凝視する。
「真、遅れてわるかったな」
 真の前にいたのは、同じ765プロのアイドル我那覇響だった。
「響だったのか、あの手紙は」
 悪質な悪戯等色々警戒していたので、真は緊張感をずっと漂わせていたのだったが相手を確認するとふっと肩の力を抜く。
 だが……響の纏う空気を感じて再び自分の中の緊張感を無理矢理目覚めさせる。
 身体中の筋肉に、油断するなと命令を送り思考を要警戒モードに切り替える。
 それほどまでに、目の前にいる響には普段と違うただならぬ気配を感じていたのだ。
「うん……真と、どうしても二人きりになりたくてな」
 真剣な表情の響。身体にかなり力が入ってきて緊張してる事は一目瞭然だ。
 右手が硬く握られて、少し震えている。
 真の、あまり高性能とはいえない脳内コンピューターがフル回転して響の思考を読もうと必死になった。

 (たしか来週はダンスマスター→ボクもそのダンスマスターにエントリー予定→響にとってボクはライバル)

 その結論を出すまで、7.3秒かかった。
 その間も、響は何か言い出そうという感じだったがなかなか震えてうまくいえないらしい……
 それでも、勇気を振り絞って
「ま、真……」
「響、いわなくてもわかってるよ」
 真は片手を響の前に突き出して、響の言葉をさえぎる。
「ま、まことっ!」
 何故か、少しだけ顔を赤くする響。興奮のせいだろうか
「響、前からいってるからボクも解ってる……765プロにダンスマスターは一人で充分だよね」
 突き出した手を戻し、拳を固める。
「えっ、ま、真……自分は」
 なにやら真の様子に戸惑う響。
 そんな響におかまいなく、固めた拳を胸の前にもっていき語りだす真。
「ボク達は、一度争って……いい友達になった。響、君の事は好きだよ」
「真!」
 響の赤らめた顔が、満面の笑みに支配された。
「だけど!」
 真の目が、かっと見開かれ勢いよく右手の人差し指が響につきつけられた。
「友達だからって、好きだからってダンスマスターの座は譲れない!響がボクにダンスマスターを降りろというならボクは実力で応える!」
「はいぃぃぃぃ!?」
 どうやら響的にはとんでもない方向に話が進んでしまい、一気に笑みが驚きに変わる。
「響、全力で!今!応えるよ!」
 風を切る音と共に、真の正拳突きが飛んできた。
「ちょ、ちょっ、まことっ!」
 寸前で響はステップを踏み、なんとかその熊をも一撃で殺せそうな拳をかわす。
「さすがだね、響。それでこそダンスマスターを争うライバルだよ」
「ダンス関係ないっ!」
 765プロに来て以来、ずっと自分突っ込み役になってるなぁと響は心の中で遠くを見ていた。
 そして同時に……
「ま、まこと……」
 響の拳が固められ、ふるふると震える。
「響、応えてくれるんだね。ボクもぜんりょ……」
「真のばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 某車田アッパーが真を捕らえた。
 激しい効果音と共に曇天の空に舞い上がる真の身体。
 そして、どさりと地面に叩きつけられた。
「ひ、響……」
 半分虫の息の真がビクンビクンと震える。。
「真……雪歩とか美希がため息ついて嘆いていた意味わかったよ……」
 一撃を真に食らわせて少しはすっきりしたのか、ジト目で真を見下ろす響。
「雪歩も……美希も……ボクの拳に応えられなかった……響、キミだけがボクについてこられ……」
「……鈍いって聞いてたけど……頭の回転が鈍かったんだな」
 とりあえず、雪歩と美希の分とばかりに響は真の頭を二回程踏みつけた。
 ため息をつきながら……

テーマ : アイドルマスター
ジャンル : ゲーム

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車田とか言うなw

響とコメディ展開の相性は抜群と再認識。絵が浮かびます。
ニブい真の図もとても楽しく、脳内理論も「いかにも」でした。
「拳についていく」ってどんな発想だよ。美希、雪歩もツラいわ、とか、
思考時間が7.3秒ってすごく恣意的なものを感じるなぁ、とか、
始終ツッコミ入れながら読みました。面白かったです。

No title

お疲れ様でした、読ませていただきました!
真は確かにニブそうで、拳とか言っちゃいそうですねwww
誰に対してもそうなのはコメディと考えれば調度良いのかな。
響だと最後容赦ないあたりが雪歩や美希とちがうところですねw
面白い作品を読ませていただき、そしてご参加ありがとうございました^^

拝読致しました

確かに人気のない場所で、意味深な手紙を渡されたら勘違いしちゃいますよね、特に真さんの場合。
真さんの将来がとても不安ですw(思考回路的な意味で
回転が鈍いというよりも、いや、あの思考が7.3秒で出されるということを考えると、
ある意味回転は鋭いのかもしれないけれど、残念すぎるw
とりあえず、響さん(とおそらく被害者になったのであろう雪歩さんと美希さん)に元気出してね!
…としかいいようがないです、はい。拳で応えるってwwww
素晴らしいSSをありがとうございました!

No title

そうだよなあ・・・真って、女の子らしくなりたいって割には、思考回路が男の子している時が結構ある感じがしますよね。
まあ、相手が真の考える「女の子らしさ」からはちょっと離れた響じゃ尚更かも知れませんね。

感想ありがとうございます

ガルシアP>
基本的に響はゲームだと案外ボケキャラなのに、その後のメディアでは
とにかくひっかきまわされてる印象があってコメディにうってつけですねぇ
真は常識的な部分もありますが、案外アホの子だと個人的に思ってますw

coroさん>
真っていろんな意味でニブチンだとは思うけど、まぁこういう意味でニブチン
だったらさぞバイオレンスな事務所になるんだろうなぁと
響はいろんな意味で真のライバルです

小六さん>
人気のない場所で告白……真ならいろいろ経験ありそうなものですけどねぇ
主に女の子から……まぁその経験があるからこそ逆に警戒したのかもしれません
雪歩と美希は、その後真についていくために血の滲む特訓をしたとかしないとか

肉塊P>
真は無意識なんですよねぇ 女の子したいのに無意識に男の子してるというのが
それ認識できれば・・・なんでしょうけどねぇw
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結構適当

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