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一時間SS 『男のロマン』

はい、トリスケです
久しぶりに一時間SSです


……なんか案外俺雪歩とPの話って多いなぁ・・・・
 目の前に並んだ衣装の数々を前に、萩原雪歩は困ったという表情を浮かべる以外の感情の表現をすることが出来なかった。
「男のロマン……ですか」
 並べられた衣装は……メイド服・赤ちゃんセット・スクール水着、その他もろもろある意味正気ですか?と問いたくなるようなラインナップだった。
「まぁ、そういうことだ」
 その衣装の選択主である彼女のプロデューサーは、雪歩の困惑をよそに力強く腕を組みながら頷いた。
「たしか、今度のコンサートはスノーストロベリーでいくって言ってましたよね?」
 プロデューサーに何かいやなものを感じたのか、一歩後ずさりした後冷や汗を流しながら雪歩は尋ねる。
 だが、そんなの関係ねぇといったプロデューサー。
「予定は未定という言葉があるだろう」
「ありませんよぉ~」
 聞く耳もたないプロデューサーの肩を揺さぶって、なんとか正気に戻ってきてくれと神様仏様に願う雪歩。
 しかし、悪魔に魂を売ったプロデューサーに紙もほっとけもない。
「いいか、雪歩。俺はいつもいってるよな?」
 逆に雪歩の肩をがっしり掴んで、まっすぐな瞳で雪歩を見つめるフロデューサー。
 その目は真剣で、雪歩はその視線から逃れることはできない。
 ああ、このプロデューサーはふざけることはあっても真剣に私の事を考えてくれている……
 だからこそ、雪歩は男性が苦手であってもこのプロデューサーについていけるのだ。
「は、はいっ」
 雪歩もまっすぐ、その綺麗な瞳でプロデューサーの目を見据える。
「アイドルである以上、色々辛いこともある……悲しいこともある」
「はい」
 力強い言葉が、雪歩の心に刻み込まれる。
「ファンは、雪歩に幻想を抱いて応援してくれている。それを裏切ることはできない、解っているな?」
「もちろんですっ」
 アイドルである以上、ファンの事を第一に……
 これは何度もいい聞かせていることである。
 自分を支えてくれる人達……
 その人達がいるからこそ今の雪歩があるのだから。
「なら、この衣装の意味がわかるだろう」
「……どういうことですか?」
 雪歩は複雑な連立方程式を解こうとするが、まったく解答が出てこない。
「雪歩がこの衣装を着てくれる……ファンがそう望んでいるんだよ!」
 右手の拳を固めて、なんともいえないオーラを漂わせながら力説するプロデューサー。
 ……正直怖い、と雪歩は逃げ出したくなる感情を必死で抑えている。
「そ、そんな……」
 自分のファンはそんなにマニアックだったのか……
 正統派純情アイドルとして売り出している雪歩にとって、何か色々崩れる音が聞こえてくるようだった。
「そして、雪歩。もう一つ忘れていることがある」
「な、なんでしょう……」
 そろそろプロデューサーの言葉を聞くことでさえ雪歩にとって、色々な世界が崩壊する宣言のような気がしてきた。
「ファンのため……それはすなわち俺のためなんだよ」
「え?」
「忘れるな、雪歩。お前の最初のファンは俺なんだ。お前の一番のファンは俺なんだ」
「……」
 今の雪歩にとって、言葉を出すことすら困難になるほど混乱の度合いが酷い。
「つまり、俺が望むからこの衣装があるわけだ」
「……早い話……」
 混乱の中から、何かを見つけ雪歩はぽつりとつぶやく。
「まぁ、俺の趣味だ」
 キリっという音と共に、プロデューサーの歯がまぶしく輝く。
 それと同時に……プツっという音が雪歩から聞こえた。
「さぁ、雪歩。この衣装をっ!ファンである俺のためにっ!」
 机の上においてある衣装の中から、赤ちゃんセットを手にとり雪歩の前に差し出す。
 だが、雪歩はその衣装に背を向けて……小道具を置いてある部屋に消えていった。

 数分後、呆然と立ち尽くすプロデューサーの前に雪歩は帰ってきた。
 手には大きなシャベルが握られている。
 そして、雪歩の表情は……仮面をかぶってるかのように無表情だった。
「や、やぁ雪歩……おかえり」
 その雪歩の様子に、今度はプロデューサーが冷や汗を流して一歩後ずさりする。
「プロデューサー」
 雪歩のつぶやきは、絶対零度を思わせる位プロデューサーの心を凍りつかせた。
「は、はいっ」
 その言葉に、身も凍りついたのかプロデューサーは一歩も動けない。
 そんなプロデューサーに向けて……
「あなたのの幻想……打ち砕きます」
 シャベルが振り上げられて……

 砕かれたのは幻想だけでなく……

「さようなら……」
 雪歩の心とプロデューサーの頭蓋骨は粉々になっていた

テーマ : ニコニコ動画
ジャンル : ゲーム

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No title

読ませていただきました!
欲望に忠実なあまりに自分のロマンを追及するPにその幻想を砕いた雪歩というネタに感心と笑いがw
短い時間でちゃんとまとまっていて、今回うまくまとめるどころではなかった自分には感服するばかり…
参加ありがとうございました、おつかれさまでしたー^^

雪歩にあれやこれやを着せるのは確かに「ロマン」!(グシャ

これは。

「ひでぇwww」(良い意味で)

まぁ、そうね。雪歩のみならず、みんな怒っていいと思うよ。
裸足でスク水でステージとか、どんな仕打ちだよ、って。
途中まで上手く行きかけてたのに自分で首を絞めるP。
「話せば分かる」と言っても「問答無用」な雪歩。
楽しかったです。あとはPの無事を祈るばかりです。

拝読致しました

 浪漫・・・それは時に人の心を奮い立たせ、時に人の心を狂わせるものですよね・・・クレイジー!
 真剣な気持ちだからこそ出すことの出来るコメディ。おそらく言っている本人は真面目に言っているからこそ笑いがこみ上げてきてしまいますね。全体的にテンポもよく、1時間でこの完成度、さすがトリスケさんだと言わざるをえません。そしてとりあえずこのPさんに最敬礼をしたいと思います。
 素晴らしいSSをありがとうございました!

拝見致しました。

頭蓋骨を割られたPに言いたい! 「よう、俺!」(ぐしゃっ

このPはウソを言っていないがゆえに、ヘンな説得力が有りますね。だからこそ雪歩は理屈で否定したんじゃなくて、心の底から「それだけはいやです、プロデューサー!」と言う気持ちでPの提案を否定したのだと。
男のロマンは、女には分からないものなのだな……切ないのう切ないのう。

No title

初めまして(?)、アリスと申します。
何と申しますか、さすが円匙は最強の近接格闘武器ですね。雪堡さんの細腕でも、頭蓋骨はいけると思います。…雪堡さんと円匙、とか書くとまるで雪原戦ですね! 雪歩さんお許しくださいまし!w
それではまたいずれ。
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トリスケリオンP&ふるぷら~んP

Author:トリスケリオンP&ふるぷら~んP
主にニコニコでアイマスMAD作成中
結構適当

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