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SS企画「一枚絵で書いてみm@ster」第一回SS/不思議な機械

はい、トリスケリオンです
SS企画「一枚絵で書いてみm@ster」 企画用のSSです
とにかく、このSS終わらせるまで他の人のSSを読まないようにしてました
……かぶりが怖くてみられなったともいう 誰かと被ってるかなぁと
この企画の一番の恐怖はそこかもですww

というわけで仕上がったのでこれからゆっくりと他の人の
作品をみていきたいなと……

今回のお題イラストは こちら
 仕事が終わり、事務所に戻ったボクは珍しい光景に出会った。
 千早が、ソファーに座って携帯をいじっている。
 それだけなら別に珍しい光景でもないんだけれけど、何故か千早は携帯をいじりながら体を左右に揺らしたり、「タ、タタタ、タン」とか奇妙な言葉を口ずさんでたりしていた。
 どうやら、携帯いじりに熱中するあまりボクが部屋に入ってきたことすら気づいていないらしい。
 千早の後ろに近づき失礼かなと思いつつも、何をしているのかという興味の方が勝って携帯を覗いてみた。
 その携帯画面に写っていたのは……

「千早が……ゲーム?」
 千早が一生懸命やっていたのは、いわゆる音ゲーという奴だった。
 音ゲーであるのが千早らしかったけど、千早がゲームをしているという事に驚きつい声を出してしまった。
「真、人の携帯を覗くのはどうかと思うわよ?」
「……ごめん、千早が何か珍しく熱中してたみたいだから、つい」
「まったく、もう」
 言葉の雰囲気からして、そんなに怒ってはいないみたいだった。よかった。
 律子ほどではないけど、結構千早もお説教をしだすと長いタイプだからなぁ……
「真、何考えてるのかしら?」
「い、いやぁ、な、なんでもないよ」
 ひっとして、ボクって何か考えてる事を読まれやすいタイプ?
 それとも千早が鋭いだけなのかな。
「真は少し……」
「そ、そういえば、千早がゲームだなんて珍しいよね」
 お説教が始まる前に、慌ててボクは話題を逸らした。
 単純に千早がゲームをやっていたってことに、興味を持ったってのもあるんだけどね。
 千早の性格からして、ゲームをやっている暇があるならレッスンレッスンという感じなのに、楽しそうにゲームをしていた千早は何か新鮮だった。
 まるで、年相応の女の子の表情だったというか……
 そんなこといったら、それこそお説教だろうなぁと。
「春香に教えてもらったのよ。私にぴったりだってね」
 春香という単語が出たとき、千早の表情が少し緩んだのを見逃さなかった。
 そんな表情、ボクの前じゃほとんどださないよね?
「春香が、ねぇ」
ふーん、という感じでボクはその回答を受け流した。
本当に、本当にちょっとだけひっかかっただけだから、軽く受け流す。
「最初は、本当に興味なかったけど、しつこく薦められて仕方なく、ね」
「その割には、はまってたよね」
 少しだけ、嫌味を込めて言ってみる。
 だけど、千早はそんなボクの些細な嫌味など気づかないで話を進めた。
 とっても、幸せそうな笑顔で。
「音楽に関してのゲームだからってのもあるし……それに、携帯でこんなことも出来るなんて素直に驚いたというのもあるわ」
「千早、機械オンチだからねぇ」
「バカにしてるのかしら、真?」
「べーつにぃー」
 千早の、ちょっと冷めたように視線から逃げるようにボクはそっぽを向いた。
 本当は、そんな表情もじっとみていたかったけど、怒られるのは勘弁だし、話がややこしくなりそうのなで止めておいた。

「でも、携帯って不思議ね」
「不思議?便利じゃなくて」
 ボクが千早の方に向き直ると、千早は目を閉じ携帯を胸に押し当て何かを思い浮かべているようだった。
「こんな小さな機械なのに……色々な想いを伝えてくれるのだから、不思議よ」
「そんなの、別に携帯じゃなくてもいいじゃないか」
 携帯を通して、誰を思い浮かべてるのかなと考えたら、ちょっと語気が強くなってしまった。まったく、そんなつもりはなかったのに。
 それでも、そんなボクの態度なんかお構いなしに千早は言葉を続ける。
「そうね、別に携帯だけじゃないわね。でも、この携帯が私を支えてくれたのは本当のことだから」
 本当に、携帯じゃなくてなんでもいいんじゃないか……
 その「支えてくれた」のが誰かなのかが最重要なんだし。
 そう考えていて、何故かボクも携帯がただ便利なものじゃなく不思議な機械に見えて来た。
 千早が手に持つ携帯を介して、一人の人物が思い浮かぶ。
 そして、携帯が鳴っているわけでもないのに、その携帯から話し声が聞こえてくる。
 楽しそうに話す千早と、携帯の向こう側の人物。
 きっと、メールなんかも他愛ない話題でいっぱいなんだろうけど、きっと楽しそうなんだろうなぁ。
「真、どうしたの?怖い顔してるわよ」
「あ、うん、なんでもないよ」
 不思議そうに、千早はボクを見ていた。
 いけないいけない。
 なんでボクはこんなこと考えていたんだろう。
 そんな怖い顔をしているボクに対して、千早は優しく笑いかけてきた。
 普段あまりみないような、穏やかな笑みについドキリとしてしまう。
 な、なんでだろうなぁ……
「一人の時が多かった私が、みんなと一緒にいるって思えたのもこの携帯なのよ。辛い時に電話をくれたり、メールをくれたみんな。最初実は疎ましく思った時もあるのよ」
「出会った頃の千早って、本当にみんなと距離置いてたからねぇ」
 なかなかみんなと打ち解けなかった千早の事を思い出す。
 そういえば、なんで千早と仲良くなったんだっけ?
 最初の頃は、たしか喧嘩をしてたような気がするんだけど……

「最初に真がくれたメール、覚えてるかしら?」
 千早に最初に送ったメール……なんだっけなぁ。
 あれ、確か最初に送ったメールって……
 なんとなく必死になって記憶の糸を辿ると、厳しい表情の千早が目の前に現れた。
「たしか、大喧嘩した後の……」
「そうよ、あの大喧嘩の後のよ」
 その言葉で、ボクはその時の事を鮮明に思い出す。
 まだ、御互いデビュー前でレッスンに明け暮れていたボク達。
 ボクはダンスが大好きで、他のレッスンもしてはいたけどほぼダンス三昧という日課。
 そして千早は歌に全てを捧げていて、ボクと対照的にボイスレッスンばかり。 
 千早から見て、ボクは歌をないがしろにしていた奴に見えたみたいで、レッスンの事での些細な口論から、ついに大喧嘩に発展してしまった。
 ボクだって、その時歌を決しておろそかにしてたわけじゃないし、ダンスレッスンを軽視する千早を許せなかったのも大きかった。
 そして、その日の夜……
「真からメールが来た時は驚いたわ。……最初読まずに破棄しようと思ったけど」
「それやってたら、きっと今ごろ酷いことになってたんだろうねぇ」
 懐かしさに目を細めるボクと千早。
 そのメールが届いてなかったら、きっとボクと千早は今頃こんな風にのんきに話してなくって、もしかしたらアイドルを続けるのも嫌になってやめてたのかもなぁ。
 思い返すと、勢いで送っちゃったメールなんだけど、送って本当によかったと思う。
「メールを開いて、何度も読み返したわ……真の気持ちが伝わってきて」
「アレは、半分怒りに任せてってのもあったけどね」
 メールを送った時の事を思い出して、後頭部をかきながら苦笑してしまった。
「『如月さんが、歌に真剣なのはわかってますし、歌が重要なのもわかってます。でも、如月さんにとって歌が重要なのと一緒で、ボクだってダンスに一生懸命だし、大切なんです。それをバカにはされたくないんです』って見た時、真がどれだけ真剣に打ち込んでいるか解ったから……」
「ボクも、メールを送った後千早の気持ち考えて……一生懸命なのは千早も同じだから……あんなにぶつかれたんだなって思ったよ。返信メールで『菊地さん、明日直接伝えたい事があります』って来たとき、ボクもあらためて伝えなきゃって」
「次の日、会った瞬間同時に頭を下げてごめんなさいっていったわよね」
「……その後、御互い笑い出したんだっけ」
 その時の事を思い出して……
 その場を再現するように、ボクと千早は同時に笑い出した。

「その後からだよね、御互い『千早』、『真』って呼び出したのは」
「そうね、その後から私も少しずつ携帯のメールでのやり取りをするようになったわ」
 そういえばそうだっけ……
 千早は、携帯を開いて多分メールの履歴をみているんだろうか、懐かしむように笑ったり、たまにちょっと頬を膨らませたりしていた。
 あの後、顔をあわせて話す機会も増えたけど、メールのやり取りも毎日とはいわないけどよくするようになっていた。
 そうか、ボクだってきちんと千早の携帯の中にいるじゃないか。
 ボクが嫉妬していたあの子だけじゃなく、ボクもきちんと千早の携帯に住み着いていたことに安堵感を覚えていた。
 本当に不思議だなぁ……
 ボク達をつないだきっかけが携帯だって。
 こんな小さな機械が、今のボク達を作ってくれたんだ。
 ボク達の絆を作ってくれた、魔法の機械には感謝だね。

 ……ボクは千早に背を向けた。、
そして自分の携帯を取り出して、アドレス帳を開く。
 カ行の欄を選択し、気持ちを伝えたい人へコール
背中越しに、クラシックの着信音が流れ出す。
数回のコールの後、相手が電話に出た。
「真、どういうつもり?」
 何か呆れたような生の音声もボクの耳に届いていたけど、今は不思議な機械から聞こえる千早の声に集中。
「いや、なんとなくだけどね……一言いいたくて」
 これほど無意味な事はないだろうなぁ……千早のため息が、電話越し(背中越しにも聞こえるがあえて無視)にはっきり聞こえた。
 ああ、でもある意味無意味じゃないかも……だって、顔見てこんなことなかなか言えないもんね。
 こういう意味でも、やっぱり携帯って不思議な秘密道具かも。
 ボクは、一呼吸おいてはっきりと携帯越しに気持ちを伝えた。
「千早、これからもよろしくね」
「……こちらこそ、よ」
 これからもボク達をつないでくださね、不思議な道具さん。
 

テーマ : アイドルマスター
ジャンル : ゲーム

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No title

こんばんは。

千早の電話の相手にちょっと妬いてる真が可愛いです。
千早って、ちょっと他のキャラよりトンがったイメージがあるから、誰かと絆を作るためには、色々ぶつかったり喧嘩したりしながらなんだろうなーって思います。
千早の携帯のメモリーにある、真からのメールの内容を想像すると、ニヤニヤしてしまいますね。

No title

読ませていただきました。
携帯を通じて築かれた真と千早の関係、これからも2人をつないでいくとか素敵ですね!
何かがきっかけで関係が良くなっていったという話はやっぱりいいですね、好きですね^^
素敵な作品をありがとうございました。

感想ありがとうございます

月の輪P>
呼称って、案外自然と見逃していますけど本当に相手との距離を
測るバロメーターみたいなところありますからね
アイドルになった頃、みんなそれなりに距離あったと思いますけど何かきっかけが
あって、今の765プロがあるんだろうなと思いますね

肉塊P>
千早は、コミュでもたしかありましたけどなかなか他と打ち解けないって印象が強い反面
本当に認めた相手とは固い絆をつなげるのかなと思っています 苦労はしますけど
ぶつかった後いい関係になるのは ある意味殴り合いの後夕日をみるとかそんな感じでw
真は、ジゴロな割りに案外やきもち焼きだと解釈してますw

coroさん>
きっかけって案外単純なものだと思うんですよ。今回書いた話でもそんなに大げさな
噺じゃなく あの時あんなことあったよねぇと笑い話に出来る話ってのが本当に
きっかけなのかなぁと

No title

千早の携帯にふりまわされつつも、千早の携帯とつながろうとする真が良いですね。
こちらの真と千早からは、互いの距離感を大切にしていそうなイメージを受けました。
きっと、ケンカする時も仲直りする時も携帯がつなげてくれるんでしょうね。
読んでほっこりしました。

No title

年相応な様々な想い、「青春」というのでしょうか、
等身大な2人の一コマを観る事ができて、なぜか懐かしい気持ちになりました。

コメありがとうございます

寓話さん>
真にしても、結構オープンなようで繊細な部分
があるから、人とのつながりについは案外
気を使う部分あるのかなという気しますね^^
何か色々あって顔合わせずらい時もあるけど
そういう時の橋渡しになってくれればいいなと
思います

Y13 さん>アイドルやってると大きな事件にも
巻き込まれるかもですけど、実際彼女達だって
普通の女の子ですからね こういう日常が
一番大切なんだと思います

思案熟考。

『一枚絵m@ster』の性質を考えると、
その一枚絵の中で物語が完結する、
或いは話の大部分がその一枚絵に集約される、
というのが理想なのかなぁ、と本気で考えます。
その点で言うとこの作品は、タイトルからラストまで、
一貫性があって素晴らしいですよね。
テーマとの距離感、色々考えます。

声が届く距離なのにわざわざ電話するとか、
シチュエーションとして、とても大好きです。

No title

拝読させて頂きました。
イラストに沿った話の展開、千早と真と携帯の先にいる人間、それぞれの思惑が文章の中で行き交っていて、とても面白く読ませて頂きました。
個人的な感覚ですが、真も千早も携帯をあまり使わなさそうなイメージがあるので、携帯を使うとしたらトリスケさんのSSのように何か「言葉で伝えたい」シーンで使うのでしょうね。ううむ、奥が深いです。
素晴らしいSSをありがとうございました!

No title

ガルシアさん>
今回この絵をみても キーワードは「千早と真」「携帯電話」「覗き込む真」 
etc 色々多いと思うんですよ 服装とかをキーワードにした人も
いましたしね  とにかく、企画に沿って考える
絵のシーンを重点にもっていきたいなというのは
頭にありました 千早と真の距離 ソファー越し
という近さというのもちょっとは意識してみたので

小六さん>
千早なんかは特に最初人とのかかわりを避ける
というイメージは確かに強いと思います
 真にしても案外正直に心を伝えるのって照れくさい方なのかなぁというのも
あっての今回のSSです
 なかなか女心を表現したりというのは難しいですが少しでもそういう可愛い部分が
伝わればなと思います^^
プロフィール

トリスケリオンP&ふるぷら~んP

Author:トリスケリオンP&ふるぷら~んP
主にニコニコでアイマスMAD作成中
結構適当

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