スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

はるちはSS「偽りの人形」

トリスケリオンです
今回のSSは、絵師さんである 晴嵐改さんが以前書かれたイラストで
これを元に話をという流れがありまして イメージして書いてみました
やっぱりイラストが一枚あると、それを元に色々話は膨らむものです^^

 今後もこういう事やっていきたいですねぇ
 その場合、絵師さんに失礼にならないよういつも以上に作品に力いれないと
 いけませんけど^^
春香は卑怯者だと思う……
女の涙は、よく最強の武器といわれるけど、春香の涙は特に……ね
春香の場合、笑顔も武器になって私の心に突き抜けてくる
その言葉も……
 その柔らかな感触も……
 私の心の鎧なんて、いともたやすく貫くのだから
 そんな武器をたくさんもってる春香は……ずるい

 そんな春香でも、陥落させられない相手がいるらしい。

 事務所の廊下を歩いていたら、なにやら挙動不審な春香を見つけた。
 春香は普段あまり使われない倉庫の扉の前で、少しだけ開いた扉から中を、こっそりと覗き込んでいた、
中で何が行われているか知らないが、覗き込みつつ口に手を当てて何か声を抑えようとしてたり、もう片方の手をばたばたさせて慌てたりと、端からみてあからさまに怪しい人物以外の何者でもなかった。
ここの廊下自体、あまり人が来ないから放っておいてもよかったのだけど、さすがに挙動不審の人物をそのままにしておくわけにもいかないのでそっと近づいて声をかけようとした。
だけど、春香は突然石のように固まり……その石化が解けた瞬間脱兎のように走り去ってしまった。
一瞬だけ見えた春香の目には……涙があった。

春香を急いで追おうとしたが、一度扉の前に立ち、耳を澄ませる。
中には、誰かがいるようで会話が空いたままの隙間から聞こえてきた。
「なぁ、美希……本当に戻らないとまずいぞ」
「んー、もう一回だけいいでしょ、ハニー」
「誰かここに来たらまずいって」
「大丈夫だよ、ここは誰も来ないっていったのはハニーだし、きちんと扉は閉めてあるからね」
 ……閉まってないわよ、美希。
 迂闊な彼女達は、誰かに聞かれているなんてことなど露ほど思わずに会話を続ける。
「そうだな、ならもう一回……するか」
「うんっ、ハニー、愛してるっ」
 そういうこと……ね
 あえて倉庫を覗く気にもなれない、いえ、覗く必要もなかった。
 私は親切にもそっと扉を閉めて、見えない扉の内側に向けて侮蔑の視線を送ったあと、ゆっくりと歩き出した。

 私が足を向けた先は、先ほどの倉庫と同じような場所……普段誰もこないような場所だった。
 階段をゆっくりと上り、その先にある重い鉄の扉のノブに手をかける。
 普段使われないことへの抗議の軋みをあげながら、ゆっくり扉が開かれるとそこには雲ひとつない空が広がっていた
 何もない事務所の屋上……
 そんな場所に来る暇人がいると私は確信して、私は屋上に足を踏み入れた。
 案の定、フェンスに寄りかかりぼーっと空を眺めてる暇人がそこにいた。
「あら、春香。こんな所で何をしてるの?」
 あきらかに偶然ではないのだが、偶然のように振舞って私は春香に声をかける。
 その声に驚いたのか、春香は身体を一度びくっと震わせた後、ゆっくり、ゆっくりとこちらに向かって振り返る。
 春香の表情はいつもと変わらないが、残った涙の後や目の赤さをみれば、春香が振り返る前にどんな表情をしていたかわからないほど愚鈍ではない。
「千早ちゃんこそ、こんな所にどうしたの?」
 春香の声もいつも通り……いえ、いつも通りを装っている。
 私の心の中で、先ほどの出来事と春香の涙の後という事象があり、少し脳内で補完されている部分もあるけれど、あきらかにその声は震えていた。
 春香が演技をするなら、こちらも演技で応えることにする。
「私はちょっと空を見に来ただけよ、気分転換に」
「私も、だよ」
 見え透いた嘘だ……
 私は確信を持って春香のその言葉を否定できるし、私の言葉が演技なことは多分春香も感じているだろう。
 とりあえず、その言葉には答えずに私は春香の横に歩み寄り、フェンスに寄りかかる。
 雲ひとつない空を見上げ、顔を撫でるそよ風を感じるのは本来なら心地よい時間だが、今の私にとってそんなことはどうでもよかった。
 今私が感じたいのは、隣にいる無防備な一人の女性のことだけだ。
 春香もフェンスに背中を預け、私と同じ空を見上げる。
 同じ空を見上げていても、考えている事はまったく違うことだろう。
「気持ちいいね、千早ちゃん」
「そうね」
 心の中は雨空なはずなのに、春香は晴れ晴れとした表情だ。
 でもそんな雨に晒された春香の心の鎧は、きっと錆付いてもうぼろぼろだろう。
「千早ちゃん」
「何」
 機械的に反応した私は、、何か暖かく柔らかい感触に包まれていた。
 
はるちは 春嵐改さん

 春香は私に抱きつき、私の肩に顔を埋めている。
 半分は私の妄想かも知れないが、勢いよく抱きついてきた割に私の服をぎっと掴む手は力なく震えていて、不安におびえてる事が丸解りだ。 
 こんなに弱い春香を私はみたことがなかった。
 そんな春香の姿に一瞬くらっときたが、ある程度心構えがあったのでなんとか理性を保ち続けることができた。
 反対に、今の春香は本当に無防備だ……私がちょっとつついただけでも……
「千早ちゃんの身体、気持ちいいね」
 顔を私の肩に埋めたまま、春香の手が私の身体をまさぐりだす。
何かを求めるように……いや、その何かの正体を私は知っている。
春香の前に、私はいない。
天海春香の前にいるのは如月千早ではなく、如月千早という人形に他の影を重ねあせた、都合のいい代替品でしかない。
それを理解しつつも、私は春香の手を拒絶しなかった。
春香の空いていたもう片方の手が、私の手を掴んで春香の柔らかい体に導かれる。
何も春香は言わないが、言おうとしてることはわかる。
今、この手に触れる春香を、身体ごと、心ごと奪うのは容易いだろう。
いつも私の心を怪盗のようにあっさりと持っていく春香を、今度は私が奪えるのだ。
しかも心だけはなく、身体ごと、全てを。
春香の全てを奪うことに罪悪感を感じることはまったくなかったが、今、私を躊躇わせてるのは、その全てを奪えるのが如月千早ではないことだ。
今ここで春香を手に入れても、それは偽りの私が手に入れたもので、本当の私が春香を手に入れる事はできなくなるかもしれない……
それでも、私は……春香が欲しかった。
春香が偽りの相手として私を求めるなら、私は春香の望むすべての偽りを与えよう。
春香の心が偽りなら、その偽りをすべて受け止めよう。
その涙も、その笑顔も、服を通して感じる身体のぬくもりも、すべて偽りでいい。

偽りを求める者同士……お似合いよね

卑怯者と呼ばれてもいい……私はこのおもちゃが欲しかったのだから

子供が玩具を欲しいといって、何が悪いのだろう?

そしてこれから始まるのは、ただの人形遊び……だから何も恥ずかしいことはない

私はそっと、天海春香という人形の服を手をかけた……

テーマ : アイドルマスター
ジャンル : ゲーム

コメントの投稿

非公開コメント

No title

読ませていただきました。
そうきたか!という感じで、シリアスな話ながら楽しませてもらいました。Pに恋している春香に、春香を想っている千早という関係性がすごくよかったです。
この2人がどうなるのか、美希やPを含めて気になってしまいますね><
素敵なSSをありがとうございましたー^^

No title

coroさん>やはり春香は千早との絡みも
好きなんですが、Pを思う春香さんというのは
やはり根底にあるのかなと・・・・・・そしてPが
一人だと当然こういう展開もあって然りかと
 ドロドロした話は苦手だったりしまずか
いずれ何かの形で続きを書いてみたいですね
プロフィール

トリスケリオンP&ふるぷら~んP

Author:トリスケリオンP&ふるぷら~んP
主にニコニコでアイマスMAD作成中
結構適当

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
リンク集
ブログ内検索
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。