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一時間SS「夜の大冒険」

恒例の一時間SSです
一時間・・・だんだんまとめるのが辛くなっていく
最後は時間なかったので慌ててまとめましたorz

追記:絵師の晴嵐改さんよりイラストを頂戴いたしました
   本当にありがとうございます^^
 夜空はとっても大好きだった。
 家の窓から見える星空は、いつ見ても新しい感動を教えてくれる。
 お月様に、うさぎがいるって信じていた頃は、お月様のうさぎがどんなおいしいお餅をついてるんだろうなぁって思っていた。
 高槻やよいの知っている夜は、そんな綺麗な自然の夜だけだった。

 「へぇ、この祭り今年からずいぶんと遅くまでやるようになるのねぇ」
 手に持つチラシを眺めながら、伊織は開いてるもう片方の手で折れんジュースを手に取る。
 伊織が眺めているチラシには、事務所の近所で行われる、地元ではそれなりに有名な祭りについて書かれていた。
 「去年のお祭り、楽しかったよねぇ」
 伊織の隣から、そのチラシを覗き込むようにやよいが顔を寄せる。
 去年は、765プロのスケジュールが開いているメンバーがお忍びで参加したのだが、下手な変装がばれて大騒ぎになったり、迷子者が続出したりと楽しいことばかりではなかったことを伊織は思い出すが、やよいが楽しいというと自然と楽しい思い出になる気がした。
 「そ、そうよねぇ……まぁ今年も丁度スケジュール開いてるし見に行ってみようかしらね」
 やよいの顔の近さに多少どぎまぎしながらも、仕方ないわねという感じで伊織はそのチラシを机に放り投げる。
 「うん、また一緒に色々回ろうねっ」
 「ま、やよいが心配だからどっちにしてもいかなきゃいけないけどね」
 「伊織ちゃんが一緒なら、安心だよっ」
 やよいは、頭を伊織の肩に載せて無邪気に甘えてくる。
 当人にとってみてすれば、特に何も意識しての行動ではないのだろうが、伊織にしてみればその無邪気さがかえって恥ずかしさを倍増させていたりする。
 ……注意などできないので、「ま、まぁそうよね」とごまかすしかなかった。

 そして、祭り当日の夜。
 今年の祭りは、運悪く、いやある意味運良くかもしれないが伊織とやよいしかスケジュールが開かなく二人で回ることになった。
 基本的に、祭りというのは何か伝統的に何かを祝ったりするというのが本来の目的なのだろうが、大半の参加者にとってはその本来の目的よりただ大騒ぎしたり、祭りに付き物の出店が本来の目的になる。 
伊織とやよいにせよ、実の所その祭りが何を祝うのかよくわかっていないので、とりあえず祭りの明るい雰囲気を楽しむのがメインになっていた。
さらに付け加えると、伊織にしてみればこの程度の祭りは実の所どうでもいいのだが、やよいがこの手の祭りが大好きなので、やよいが喜ぶならば……というのが正直な所であった。
適当に祭りを冷やかしつつ(やよい自体経済状況及び性格があり、出店の物を買うという選択式なかった)、二人はただ祭りの喧騒の中を歩き回った。
この二人の場合、祭りだろうが、その辺りの路上であろうが二人でいればとにかく楽しいのだが、やはり祭り独特の雰囲気というのは何か感覚的に気分を高揚させるものがあるらしい。
そして、そんな楽しい時間というのは不思議なものですぐに過ぎ去るのである。 
「あ、もうそろそろ帰らなきゃ……」
事務所から支給されている携帯で時間を確認したやよいが、心なしか残念な表情を浮かべる。
「帰るって……まだ8時じゃない」
伊織にしても、家の躾はそれなりに厳しいがきちんと連絡等をしてあればあまり煩くいわれないので8時などという時間はとても遅いという時間ではなかった。
だが、やよいにとってしてみれば違うらしい。
「うん、もうこんなに遅くなっゃったから」
表情からして、また遊び足りないという気持ちが前面にでているのが、いかにもわかりやすい性格のやよいらしかった。
「まったく、本当にやよいはいい子すぎるわよ」
伊織自身にしたところで、外面的には猫をかぶっているので世間からしてみればいい子にはいるのだが、やよいの場合は素であるのが大きな違いだ。
「私、夜遊びってしたことないから……それって不良さんのすることだって……」
しょげかえるやよい。
伊織は、思わず頭を抱え「いい子なのは時に問題よね……」と小さくつぶやく。 
親兄弟に心配をかけたくないというやよいの心根は、確かに貴重なのだろうがここまで純粋培養はさすがにどうよ……と伊織は思ってしまう。
もっとも、伊織も夜遊びといわれる物自体はしたことはなかった。
 少しの間どうしたものかと伊織は考え、その後おもむろに伊織は携帯を取り出した。
 「あ、新堂?あ、うん……そう、というわけでやよいの家にも新堂から連絡を……多分私もかなり……」
 どこかに電話をしているようだが、やよいには途切れ途切れしか聞こえなかった。
 「それじゃ、後で連絡するから迎えよろしくね」
 電話を切った伊織は、しょげかえっているやよいの顔を両手で挟んで上げさせた後、その手でやよいを引っ張り出した。
 「い、伊織ちゃん!?」
 「やよいっ、今日は徹底的に遊ぶわよっ」
 半分やよいを引きずるように、伊織は歩調を速める。
 「で、でもお父さん、おか……」
 「やよいの家には、うちの執事から電話させたわよ。保護者同伴だから遅くなるけどきちんと送り届けるから心配しないでってね」
 少し悪戯っほく、伊織はやよいに笑いかける。
 「えっ」
 「今日はとことん遊ぶわよっ、たまに悪いことしたってバチは当たらないんだからっ」
 子供の楽しみとして、親がやっちゃいけませんっていう事をやるというのはある意味最高に楽しい遊びだったりもする。
 秘密のお遊び、たいした冒険でもないのだが、今伊織はやよいを冒険に連れ出そうとしていた。
 「…………ありがとう、伊織ちゃん」
 ひきずられながら、やよいは少し泣きそうになっていた。 
 「泣くんじゃないわよっ。ほら、今日はとことん遊ぶんだから色々いくわよっ」
 強引に走り出す伊織。
 それにつられるようにやよいも走り出した。

一時間SS挿絵

 祭りの会場を抜け出して、繁華街を走り抜ける。
 普段、明るい時しかみていない町並みが、ネオンで照らし出され違う顔を見せている。
 祭りとはまた違う、夜の喧騒に浮かれる人々もいた。
 夜のコンビニは、普通のコンビにのはずなのにどこか異世界に見えた。
 普段、窓の外から、夜空しかみていないやよいにとってはどれもこれも異世界である。
 普通の人からしたら、ごく当たり前の世界……
 だが、今日の伊織とやよいは、初めての大冒険を満喫していた。

 「ただいまー」
 12時に近くなろうという時間、執事の車に送られやよいは家の前に立った。
 「やよい、今日は引っ張りまわしちゃったわね」
 楽しいことは確かだが、無理矢理引きずり回したかなと少し罪悪感も伊織は今更ながら感じていた。
 「……私達、今日は不良さんになっちゃったね」
 やよいは、振り返らない。
 ……もしかして、怒ってるのかなと伊織は不安になったが、それは……杞憂であった。
 「伊織ちゃん、……また今度冒険しようねっ」
 新しい世界を知ったやよいは、笑顔を伊織にみせた後、深夜だというのに元気よくただいまと家の戸をあけた。
 ……その笑顔に安堵しつつも、夜遊びにはまらないといいけどねと、変な心配をする伊織だった

テーマ : アイドルマスター
ジャンル : ゲーム

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No title

1時間SSお疲れ様でした、読ませていただきました。
良い子代表ともいうべきやよいと伊織が夜中の冒険というのはなんともドキドキしてしまいますね><
かわいらしい話に2424してしまいましたw
素敵なSSをありがとうございました。

自分の書き方なのですが、オチの部分をひとまず書いておくとそこに向かってまとめやすくなるので、話の収拾つけられたかなとは思えるかと…><

No title

coroさん>
やよいと伊織って どっちもまぁいい子なんですよねぇ
伊織は作ってる部分もありますが根本的にはやっぱりいい子だし
特にやよいって本当に悪いことができない子だからこういう小さな事でも
何かさせたら新鮮なのかなっと

一時間の場合、特に今回は終わりをきちんと
考えていたんですけど終わり書こうとしたら
残り5分になってましたww 

No title

 拝読させて頂きました。
 やよいと伊織の年齢からすると、きっと夜はそんなイメージなのでしょうね。知っているようで知らない世界といいますか。その意味で「夜の大冒険」というタイトルは本当にタイトルたる言葉だなぁと思いました。
 やよいと伊織はどちらも「いい子」なのですが、その二人を夜という舞台に立たせることで、そのキャラクターの違いが惹き立っているような気が致します。伊織はこういうことにはやよいと比較すると積極的なんでしょうね。どちらにしろとても微笑ましいやりとりでした。
 素晴らしいSSありがとうございました!

No title

小六さん>
伊織とやよいは本当に、御互いいい子だから
周りの目を違った意味で気にしちゃう子達ですからね
やよいも世間しらずだと思いますが伊織もなかなか世間と触れていない部分あるんだろうなと思ったのが今回のSSでした
 普段案外やよいにひっぱられてる伊織が
こういう部分で引っ張れるのはいいかなと^^

No title

夜のネオンが流線型に瞬き、その間を二人が駆け抜けていく。イラストのイメージも相まって、ビジュアル的に映える作品でした。
特に「冒険」や「不良さん」という単語のチョイスが作品にマッチしていて、外に飛び出していくちびっ子のパワフルさを感じ取ることが出来ました。
企画参加ありがとうございました。また次回もよろしくお願いします。

No title

島原薫さんへ
やよいはまだ子供っぽいってイメージありますが
伊織にしてもまだ子供ではあるんですよね
どんなにいい子にしてたって、やはり子供特有の
そういう好奇心って大人には真似の出来ない
凄いパワーなのかなと思います
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トリスケリオンP&ふるぷら~んP

Author:トリスケリオンP&ふるぷら~んP
主にニコニコでアイマスMAD作成中
結構適当

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