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1時間SS/夢を信じて

遅刻参加ですが、やってみました
実質30分製作……  内容推敲できてないがリミットー!
……届かない場所に行ってしまう
 自分の手の届かない場所に……
 そんなのやだ!と叫んでも、彼は歩みを止めない
 反対に自分の足は、走りたいのに一歩も動いてくれない
 泣いてもだめ……
 嫌だ、嫌だ、嫌だ!!

「プロデューサー!!」
 ガバっと毛布を跳ね上げ、美希はソファーの上から見事に転げ落ちる。
 派手な音と共に、美希の体に衝撃が走り思考がぐちゃぐちゃになる。
「…………あれ」
 しばらく放心状態になった後、美希は辺りを見渡した。
「夢……かぁ」
 打ち付けた腰をさすりながら、美希は落ち着いて状況を整理する。
 どうやらひどい夢を見て、昼寝をしていたソファーから転げ落ちたことは明白だが、夢の内容が最悪であった。
「折角の初夢だったのに」
 いい初夢を見ようと、買ったばかりの毛布に包まってすやすやと眠った結果がこれだ。
 普段あまり夢の内容は覚えていない性質の美希だったが、こういう夢に限ってリアルに覚えているのものである。
 ……夢の内容を思い出すだけで、寒気がしてきた。
 事務所の中は、冷暖房完備で寒さは感じないはずなのに、美希の心は冷たい吹雪にさらされている。
 暗い暗い闇の中、大事な人が自分から去っていく……
 いままで、他人にあまり感心のなかった美希が始めて信頼する人が自分の元から去っていくなんて美希は想像もしていなかった。
 それを、まさか自分の至福の時である昼寝の時、しかも初夢でみるとは……
「ついてないの……」
 しゅんとした顔をしながら、もぞもぞと美希はソファーに這い上がる。
 そして、毛布に包まり再び昼寝の態勢に入った。
 ……だが、眠気は襲ってこない。
 代わりに襲ってきたのは、いいしれない感情の波だった。
 目を瞑ると、そこに現れるのは自分に後ろを向ける大事な人の姿。
 それは、夢の続き……眠っていないのに、こんな嫌な夢の続きをみるなんて……
「いやなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「美希っ、どうしたっっ!!ってうぉっ」
 勢いよく跳ね起きた美希は、何か固い物にぶつかる音と共に衝撃を頭に感じた。
 目の前に星が散り、激しい痛みが美希を襲う。
「ううっ、痛いの……」
 頭を押さえ、なんとかちかちかする目を開けるとそこには、同じく頭を抑えてうずくまるプロデューサーの姿があった。
 どうやら、心配して覗き込んだプロデューサーと思いっきり衝突したらしい。
「……プロデューサー、大丈夫?」
 なんとか痛みが引いた美希は、おそるおそるプロデューサーに尋ねる。
「……なんとかな、美希の方こそ大丈夫か」
「ミキは大丈夫なの……ごめんなさいなの」
 また、しゅんとした表情を浮かべ、美希はうなだれる。
「どうした、美希。何かうなされてたみたいだから来た見たら今度は元気がないみたいだし……何かあったのか?」
 頭をさするのをやめ、プロデューサーは心配そうに美希を見つめる。
「……いやな夢をみたの」
「美希がそんな夢をみるなんて珍しいな」
 プロデューサーは、美希の隣に座り落ち着かせるように美希の頭を撫でてやった。
「プロデューサー、プロデューサーはどこにもいかないよね」
 美希の顔は、プロデューサーの服の裾をぎっとつかみ、怯えた表情を見せる。
「ああ、俺は美希のプロデューサーだぞ。どこにもいかないさ」
「ミキね、プロデューサーがどっかにいっちゃう夢をみたの。そして、暗い世界でひとりぼっちになっちゃった……初夢なのにね」
 裾を掴む美希の手に力が入り、その手が微かに震えているのをプロデューサーは感じていた。
美希の目にはうっすら涙も浮かんでいる。
普段見せないような、弱気な表情にプロデューサーは一瞬うろたえたがすぐに心を立て直して優しく美希の背中をぽんぽんと叩いた。
「もう、ミキ寝たくない……こんな夢をみる位なら寝たくないのっ!」
「だめだぞ、美希。夢は見続けないと」
 涙がこぼれそうになる美希に、プロテューサーは優しく笑いかけた。
「なんで、なんで、こんな怖い夢みちゃうかもしれないのにっ」
「美希の夢は、そんな怖い夢で終わっちゃうのかい?美希は、みんなに夢を見せるアイドルだよな?」
 子供を諭すように、ゆっくりプロデューサーは語りかける。
「うん、そうだよ……でも、こんな夢なんていらないっ!」
「うん、そうだな。美希の今みた夢は辛かったかもしれない……でも、美希の夢はそこ終わっちゃう夢なのかい?」
「えっ」
「もしかして、一度俺が離れてしまう夢でも……ずっと暗い夢じゃだめだろ。その後にきっと、感動的な再開があるって思わなきゃな」
「プロデューサー」
「世の中、辛い夢だってある……でも、ずっと夢は見続けてこそ意味があるんだ。最後にハッピーになれる夢を求める……それがいいんじゃないか」
「……うん」
「美希はみんなに、いい夢を与えるためにいる……そして、俺は美希にいい夢を与えるためにここにいるんだからな」
 一旦、呼吸を整えプロデューサーは美希の額に軽くキスをした。
「美希がもし辛い夢を見てたら、俺が魔法のキスで起こしてやるさ、そして次はいい夢みられるおまじないしてあげるからな」
「……うんっ」
 美希の顔に笑顔が戻る。
 プロデューサーは、自分の膝をぽんぽんと叩き美希に合図をする。
 その合図の意味を、美希は即座に了解して自分の頭をプロデューサーの膝に預けた。
「プロデューサーがいるから、きっと最後はいい夢みられるよね?」
「違うぞ、美希。さっきも言っただろう?」
 プロデューサーは、美希の唇に自分の指をあてた。
「夢に終わりなんてないんだ、ずっとずっと夢をみつづけような、二人で」

テーマ : アイドルマスター
ジャンル : ゲーム

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No title

拝読させて頂きました。
身体的に見る夢と精神的に見る夢を掛け合わせた展開。あ、そうだった、と美希さんではありませんが思わざるを得ない構成に脱帽であります。
美希さんは人一倍大好きな人と一緒にいたいという願望が強い女の子なので、きっと会えないなら眠りすら捨ててしまうのでしょうね。その辺りの配役センスも素敵でした。
夢は見続けるもの、忘れてはいけないもの。
素晴らしいSSをありがとうございました!

No title

小六さん>
美希の場合、千早とかと違った意味で
依存が強くなりますからねぇ
寝るのが好きな美希ですけど、それは
何か安心できる環境あってこそなんだと
思います 765にいてすやすや寝てるのは
やはり765が最高の環境だからあんなに
気持ちよく眠れるのかなと
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トリスケリオンP&ふるぷら~んP

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主にニコニコでアイマスMAD作成中
結構適当

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